TAMA日記

主に政治・文化についてまとめます

カッピング(吸玉療法)とかサイエントロジーとか

主に高齢者で、骨がボロボロになって行き、軽くつまづいた程度でも簡単に骨折してしまう、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という病気があります

今から10年程前、この病気の治療薬といして「ビスホスホネート製剤」というお薬が市販されました。

これには骨を破壊して新陳代謝を促す細胞(破骨細胞)の機能を抑える事で、骨密度の現象を抑える能力があります

かつて骨粗鬆症にはホルモン療法やビタミン療法しかなかったので、このお薬は画期的な治療法と注目されました。

ここで、このビスホスホネート製剤が市場に出るまでに製薬会社(アメリカ・ドイツ)が経た道をざっくり紹介します

薬のコンセプトが考案され、動物実験で一定の安全性が確認されると「治験」というステージに移ります

ビスホスホネート製剤で採択された治験の経緯は…

骨粗鬆症の治験患者Aに本薬を投与し12年経過観察する
骨粗鬆症の治験患者Bに骨粗鬆症とは全くない薬(偽薬)を投与し12年間経過観察する
骨粗鬆症でない治験患者Cに本薬を投与し12年間経過観察する

これによって12年後の①・②・③の骨密度と骨折発生率、副作用の有無をデータ解析して、統計学的に有意な結果が出た後に、市販薬として販売されました。

※尚、この薬の効能の是非は処方する医師も理解してません(提供する製薬会社・研究所のみで把握しています)

※こういった検査法をダブルブラインドテスト(doubleblindtest)と言います

一般的な日本人の感覚だと「①はともかく、②と③は酷でぇ話だ」と感じるかもしれませんが、これがガチの治験です。当然莫大な費用もかかっています。

…只、これだけの手間をかけて世に出て来たビスホスホネート製剤にもかかわらず、現在では「(特に抜糸後の)下顎骨壊死」という深刻な副作用が多数出て、今問題になっています。

最近は副作用を警戒してビスホスホネート製剤投与を控える傾向も大きい様ですが

僕は本薬投与群と従来薬投与群、ならびに非投与群の改善値に相当な差がある(つまり、飲むと相当効果がある)事を知っているので「副作用のリスクより、薬を飲まない為に骨折するリスクの方が遥かに高い」…と判断しているので、本薬の是非についてなかなかおいそれと語れない所があります。

さて、話は変わってサイエントロジーについて

これは特に向神経系の市販薬を「麻薬と変わらない程わるいもの」と主張し、拒絶する人々が構成した団体です、著名人ではトムクルーズなどが賛同してます。

正直言うと「向神経系の薬を避けたがる」…って所までならば、まぁ言いたい事はわかります。

ビスホスホネート製剤の様に「破骨細胞を抑制➡︎骨粗鬆症改善➡︎骨折予防」というわかりやすい指標があれば、標的細胞の量や、骨密度・骨折頻度など、客観的な指標が出しやすいのですが

神経系の薬はどうしても本人・周囲の人々の主観評価に頼らざるを得ない上に、(ビスホスホネートの様に)活気的に改善されるとは言い難い薬が殆どだからです。

薬の機序も結構微妙です。例えば、アルツハイマー認知症の予防薬として開発された「ドネペジル」という薬がありますが
これは認知症患者の脳を調べた結果、アセチールコリンと呼ばれる脳内物質が少なかったので「…じゃ、(アセチールコリンを)足せば良いんちゃうん?」という、なかなかチャレンジャーな仮説を元に開発された薬です。

だから、これら神経系の薬を(例えばトムクルーズが)控える、控えたいという気持ちは、個人的にはわかるっちゃわかります

只、このサイエントロジーの困った所は、この信念を「宗教化」して宗教団体を設立し、信者から政治家を擁立し、社会に拡散しようとしている所です

神経薬の効能が低い事も、看過できない副作用がある事も事実でしょうから、投薬をやめてかえって改善する人もいると思います。でも、それはアンタらが改善したというだけで、これらの投薬によって改善する人が相当数いるから薬は市販されている訳ですので、僕からみた彼らの活動は「社会の迷惑」です

この類で、アレルギー系の改善策などをブログなどで紹介されている著名人をよく見かけますが
それはあくまで「私が良くなった健康法」に留めるべきで「私が良くなったから、貴方もこれをすると良くなる」…などと紹介し出すと大抵はメンドくさい世界に堕ります。

これと逆のパターンなのが、現在フェルプス選手で一躍脚光を浴びているカッピング療法(吸玉療法)です
吸玉で組織破壊が起こるなどいったスゲぇ解説記事がありましたが、そんな報告いちども聞いたことはありません。

科学的な療法に明るいものほど、科学的療法には未だ限界がある事を知っているものです。